40歳が見えてきた美容師の皆さん、今後の将来は見えていますか。
そもそも、なぜ美容師を目指したか覚えていますか?
目指した理由は叶えられていますか?
夢ばかりを追いかけ華やかさを求めた20代。
ノルマや責任が乗っかってきた30代。
さぁ、これからどうする?
やっぱり独立?
下積み時代を過ごした店舗を出て独立する―業界のしきたりのように、王道の道かもしれませんが、時代が変わってきています。
そもそも低価格サロンの台頭で、集客するにもなかなか固定客を掴むのが難しい。
チラシやティッシュを配ろうにも、それなりの広告宣伝費がかかってしまいます。昨今の王道である、クーポンやポイントを付与するサイトに掲載したとします。それで集客できても値引きとなり、顧客単価は下がってしまい掲載料も馬鹿にならず、経営を圧迫してしまいます。
独立するのが当たり前だった業界ですが、その後の経営が上手くいかず閉店となり借金だけが残るパターンが多いのが現実。
業務委託?面貸し?
業界ならではの風習というべきコレ。今でもあります。
顧客も美容師も多かった時代には、いろいろな経験が出来るという意味で、成長できるしくみであったかも知れません。
最近ではこのしくみを知らない世代も増えている印象すらあり、なぜかを考えたとき、頭をよぎるのはフリーランスという働き方が収入的にも立場的にも不安定ということで、若い世代から良く思われなくなったのではないかと言えるのかと。
入客すればするほど稼げた時代を知っている人は気楽で良いとメリットを感じますが、そんな時代を知らない今の若い世代では束縛されたくないタイプは良いですが、そうでないタイプは不安でしかないのかも知れません。
また、コロナショックで社会保険について、見つめ直された方も多かったのではないでしょうか。さらに、緊急事態宣言中は顧客減に不安を覚えた方も多かったのではないでしょうか。そもそもコロナ影響による不況感はいつまで続くのでしょうか。緊急事態宣言前のようにお客様が来店されるという見通しがなかなか見えないのが現実なのではないでしょうか。
コロナショックが落ち着くであろう後にやってくるのは「インボイス制度」。簡単に言ってしまえばフリーランスの手取りが消費税分、なくなってしまうという制度が2023年10月から本格始動・・・なかなか茨の道が待っています。
深刻な理美容業界の人財不足
一方、カリスマ美容師ブームが去った理美容業界は、少子化もあり美容師・理容師試験の受験者数も減少し、異業界同様に人財不足が加速しています。
給与を上げたりして必死で条件を良くしても中途採用では採用できず、ここ2,3年は理美容専門学校の新卒採用も活況となり、新卒を採り合っているのが今の理美容業界です。
この業界の離職理由で多いのは今も昔も低賃金・長時間拘束・人間関係。セクハラパワハラ・サービス残業・社保未加入の最低賃金給与・・・ブラック業界もいいところで、成り手がいないのが現状で、折角、免許を取得しても、働く現場を見て幻滅、そうそうに業界を離れる人も多いのが事実。
人生100年時代、美容師はどう生きぬくのか
人手不足にも関わらず人を大切にしようとせず、使い切りにしようとするオーナーにも問題はあり、誰もそこに着手せず、オーナーは勝ち組と言わんばかりに王様状態のこの業界。
それに対しオーナーでなく、独立ほどは考えていないあなたがこの先美容師の道で生きていこうとするならば、何が待ち受けているのか。ズバリ、指名が取れなくなり、肩身が狭くなる40代が待っているでしょう。
オーナーからすれば、指名がとれず物販の戦力にもならなくなるとすれば、それなりの人件費がかかるベテランには退職勧奨をしたいのも事実。
どちらにしても厳しい現実が待ち受けており、年齢的に異業種への転職は自身のキャリアを捨てるよほどの覚悟を持たなければ厳しいでしょう。
40代の異業種転職は大変でそこでさらに問題になってくるのは社会保険。驚くことに、40代でも社会保険のしくみを知らない人も多くいます。教えてもらえる機会がなかったのです。
「どうせ年金はもらえないだろうから」と年金未払いの人も多いのがこの業界ですが人生100年時代、若いうちは良いですが、60代、70代となった時にどうしますか。
そろそろ現実的な人生設計をしませんか
業界を去るならいいです。
ただ、せっかくとった資格がもったいなくないですか?
歳を重ねれば重ねるほど、お客様様からの感謝の声や喜んでいただく笑顔が身に染みるものです。それが働きがいや生き甲斐になりあなたにかえってくるものです。
その時に美容師を続けていて良かったと感じたいと思いませんか。そのために、大前提として継続性のある安心できるサロン選びが重要となります。では、何を指標にサロン選びをすべきなのでしょう。
東日本大震災以降、人々のお金の価値観や働く意味が大きく変わったような気がします。贅沢や無駄使いをやめ募金をし、自分のためだけでなく、誰かのためにと考えるようになり人に喜んでもらえる仕事をしたいという人が増えました。
さらにコロナショック以降、人々の生活様式、勤務形式も大きく変化しました。しかし、この理美容業界は生きている以上、必要な業界と言えるでしょう。
自身の夢だけを追い続ける仕事から、だれかに必要、感謝される仕事を選んでみてはどうでしょう。
例えば、2018年3月23日に株式上場したQBハウス。業界では珍しいカット未経験をゼロから教育する社内カットスクールがあり、新卒や第2新卒、アシスタントにはとても有難いプログラムで既に卒業生は450名以上。さらに、定年もなければ、サービス残業もない。正当評価と明確な給与基準で、サラリーマン同様の働き方が出来る。20年勤続者が39名、10年勤続者が711名という人数が、その働く環境を証明しているのでないでしょうか。
実はQBハウスには、元有名サロンで働いていた人や元フリーランスの人、自身のお店を閉じて入社してきた人、いろいろな人々が集まっており、豊富な経験と知識をもって事業拡大へと繋げてくれているのです。
理美容業界には株式上場をしている企業が片手ほど存在します。株とか社会保険とか、難しいことはよく分からないという人もいると思いますが、このあたりで、自身の人生を真剣に考えてみてはどうでしょう。
きちんとしたサロンで、末永く理・美容師を続ける人が増えていくことが、またそういったサロン自体が増えていくことが、理美容業界全体に求められているのではないでしょうか。