閉店後はヘアカットの練習、休日は新しいスキル習得のための研修など、美容師は常に勉強の毎日ですよね。でも「その時間は労働時間じゃない」なんて思っていませんか?実はこうした研修やスキルアップのための練習は、労働時間の一部なんです。今回は、美容師が陥りがちなサービス残業や労働時間について解説します。
美容師の研修は労働時間に含められる
アシスタント時代、美容室が閉まったあとにヘアカットの練習をする、ということは美容師ならほとんどの方が通ってきた道ですよね。その際「自主的な練習だから」という理由で残業代を請求しない人も多いと思います。しかし、美容師のヘアカット練習は残業として請求できるんです。
一般的に会社が強制しない、完全自由な研修や残業は仕事と見なされません。しかし美容師のヘアカット練習は、仕事そのものと密接な関係があります。だって、最低限のヘアカットスキルがなければ、美容師は仕事ができませんから。
このように「強制ではなくても仕事に密接な関係があるもの」は、業務として認められます。そのため、美容師の閉店後のヘアカット練習に対しては、会社側はきちんと残業代を支払う義務があるんです。
もちろん、休日の研修に関しても同様です。会社側から「参加してきなさい」という命令がなくても、仕事と深い関わりのある研修であれば、それは労働時間と見なされます。
また「参加しなくても良い」と言いながらも、参加しなかったことによって人事評価が下がる場合ってありますよね。これは「事実上の強制」にあたります。こうした場合も、研修は労働時間に含まれるケースが多いです。
なお、閉店後にヘアカット練習をした場合は、きちんと退店時間を記録しておきましょう。残業代を請求するには、きちんとそれを証明できることが大切ですよ。
もちろん好き勝手に練習などをやって、後から会社に報告では認められません。事前によく話してから研修などを行うようにしましょう。
2年分なら残業代は請求できる
ここまで読んで「知らなかった」「ずっとサービス残業していた」という人もいると思います。でも、安心してください。実は残業代は、2年前までなら遡って請求ができるんです。
残業代を請求するには、まず自分の労働時間を把握して、残業代を計算し、請求書を作ります。計算の際には割増賃金にするのを忘れないでくださいね。
あとはそれを内容証明で送れば、請求書が美容室に届きます。多くは美容室と話し合いの場を設けて、和解できるように交渉するようです。
研修や練習のための居残りなどは、労働時間として扱われます。美容師として仕事をするために行っていることですので、残業代はしっかり請求するようにしましょう。
ちなみにQBハウスでは、タイムカードは静脈認証で、1分単位で残業代が支給されます。
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