働き方 adam-winger-fI-TKWjKYls-unsplash

日本で美容師免許を取得した外国人留学生が就労できるよう、その実現に向けて年内まで検討することを固めた2020年3月18日開催の第43回国家戦略特区諮問会議から9ヶ月。2020年12月21日に第48回国家戦略特別区域諮問会議が開催され、外国人美容師の就労について令和2年度内を目途に東京特区(東京都限定という意味)での制度創設を講じることが決まりました。今はコロナの影響を受けて大きな報道はなされていないものの、5年後10年後に影響が出てくるのではないでしょうか。

ことの発端は・・・

そもそもなぜ、こうした議論が始まったのかといえば「日本の少子高齢化と業界を離れる美容師の人数の多さから」というのは理美容業界的な見方ですが、とは言え日本は国家資格が必要ですが「美容専門学校の学生数(留学生)を増やし、学校をつぶさないようにする策でもある」ということは言えるでしょう。

一方で、高齢化が進みモノ消費でなくなっていくというマーケットが急速に縮小していく日本において、各産業にテコ入れをしていくことが実は主たる目的です。政府が目指す先にあるものは、日本の美容技術の高さを海外にアピールして成り手を増やそうとするクールジャパン推進で留学生を増やし、海外の日本人気にあやかり訪日外国人に日本の美容サービスを受けていただきインバウンド対応を行なうことで外貨獲得を目指していくということですね。さらに、日本の技術の高さを理解して母国にその情報を持ち帰っていただくというのが今回、規制改革をおこなう大きな目的といういうわけです。

美容師の価値が上がるかもしれないロジック

では外国人美容師が増えるとどのようなメリットがあるのでしょうか。上記の通り、分かりやすい政策としては外貨獲得ができるようになるということですが、実は既存の美容師にとってもメリットがあります。日本の美容学校を出て、日本の美容室で働いていた外国人が結婚など何かのタイミングで母国に帰国するとなった場合〝日本の美容室にはすごくカットが上手な人がいる〟〝日本のコンテストで毎年、賞をとるスタイリストがいる〟ということが各国で話題になったら日本の美容の技術はそんなに高いのか、日本の美容学校・美容室で修行をしたいと美容師の価値は一気に上昇することでしょう。

今までは海外で活躍しようとしたときには日本から出ていき海外に行くというイメージが強いですが、今後は口コミや評判により海外から招かれる可能性すらあるわけです。これはもともと海外で美容の道を目指したいと考えていた人には願ってもいないことであり、高額給与も大いに期待できますね。これは日本の美容史を覆すような本当に素晴らしい意識の歴史的変化となるといえるのではないでしょうか。

ただし、理容師は対象外

ただ、残念ながらこの対象は美容師のみで理容師は対象外となります。政府は美容師・理容師同時に規制緩和をしていくよう進めておりましたが、理容組合が既存理容師の仕事を外国人にとられてしまうと猛反発したのです。それでもこの規制緩和を推進したい政府と東京都は妥協策として、まずは東京特区で実施しようと進めていくことになったわけです。これが理容師がはずれ美容師のみとなった経緯です。

令和2年度第42回の国家試験の合格者数は美容師が2,993人、理容師は613人と約5分の1の人数となっており、今回のような動きもあるためか、既に理容師資格を持つ人が新たに美容師の免許を取ってW免許を目指す人も増えてきました。QBハウスでも3.5%の社員がW免許となっています。これからの時代、本当に美容師の価値が上がっていくことが期待されています。若い美容師の皆さん、夢を大きく持ってもうひとふんばり頑張ってくださいね!

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