人生100年時代において、一つの仕事に縛られず、新たなスキルを身に付けてキャリアを広げるリスキリング(Reskilling=職業能力の再開発、再教育)が注目されています。わかりやすい言葉で「学び直し」と言われる場合もあります。特に40代でのリスキリングは、人生経験を活かしつつ新しい道を切り開くチャンスとなります。今回のブログでは、美容業界に焦点を当て、リスキリングの魅力や可能性を解説します。
人生100年時代とリスキリングの重要性
人生100年時代は仕事50年時代ともいわれます。50年間仕事をする時代に、一度身につけた知識やスキルでは通用しなくなってしまう可能性があります。特に今の時代はAIやデジタル技術の発展が目覚ましく、今就いている仕事が近い将来、AIに変わってしまうのではないかと不安に思う社会人も多くいることでしょう。そこで、生涯にわたる学習と探求が求められており、リスキリングが重要であるといわれています。
40代からのリスキリングが多い理由
40代からのリスキリングが多い理由には、いくつかの要因があります。まず、40代はキャリアの中間地点にあり、これまでの経験を振り返り次のステップを考える時期でもあります。技術の進歩や業界の変化により、これまでのスキルだけでは将来的に厳しくなると感じる人が多く、新たなスキルを学びたいという動機が生まれます。また、子育てや家庭の安定がある程度確立する時期でもあり、自分自身のキャリアや成長に再び焦点を当てる余裕が出てくるためです。さらに、人生100年時代という考え方が広まり、40代からでもまだ新しいキャリアに挑戦し、長期的に活躍できるという意識が強まっていることも影響しています。
美容業界でのリスキリング
美容業界においてもAIやデジタル技術により新たな美容機器なども開発されています。しかし、全てがAIやデジタル技術に置き換えられるとは考えにくく、美容師は人間でないとできない仕事、将来なくならない仕事といわれています。また定年も関係なく60代以上で活躍する美容師はたくさんいます。そのためか、40代から美容師の仕事に挑戦する社会人や、若い頃少し美容師として働いていたが長期間のブランクがある元美容師の人たちが、技術を学び直し、美容業界で働き始めています。
美容業界の魅力と可能性
実は美容業界は40代にとって、リスキリング先として非常に魅力的な業界といえます。まず、年齢を重ねたことで培われたコミュニケーション力や共感力が、顧客との信頼関係構築に大いに役立ちます。またブランクがある場合でもカットやカラーなど技術を特化する事により早期に現場復帰が可能です。さらに、雇用条件も社員、パート、業務委託、あるいは独立開業など自分のペースで働ける事も大きな魅力です。
現在美容師として働いている人も、美容業界は常に新しい技術やトレンドが生まれるため、学び続けることが必要であり、年齢に関係なくキャリアアップが可能です。
リスキリングに必要な事
業界未経験の人が美容業界でのリスキリングを成功させるためには、まず美容師免許やエステティシャン資格など、業界に必要な資格を取得することが基本です。これには美容専門学校や認定プログラムへの参加が必要です。社会人が美容師免許を取得する場合は通信課程や夜間コースを選択する場合がほとんどです。中には「社会人コース」を儲け、積極的に門戸を開く専門学校もあります。
また長期ブランクのある人には学び直しのトレーニングが可能な美容室を再就職先に選ぶと良いでしょう。中でもカットサロン、カラーサロンなどでは40代以上の元美容師がブランクを克服して多数活躍しています。
リスキリングは40代からでも遅くない
私たちQBハウスでも40代からリスキニングにより美容師として活躍する社員が数多く在籍しています。QBハウスの研修施設ロジスカットスクール東京に入社した社員の中で、40代以降にリスキリングした社員の人数は、2022年40名中16名、2023年57名中23名と約4割を占めています。
子育てが一段落してもう一度美容師に戻りたい人、また40歳を過ぎて、美容の幅広い技術を習得する事に自信がなくカットに集中したいと考える人などが希望を持って学んでいます。
以上のように、リスキリングは40代からでも大きな可能性を秘めています。年齢にとらわれず、学び続ける姿勢こそが、充実した人生のカギとなるでしょう。