QBHOUSEでは「社員を幸せにできなければ会社の存在意義はない」という社長の想いから、10年前に働き方改革をスタート。2021年度は離職率6%、勤続表彰者の累計人数が750名という成果が得られました。前回に引き続き、勤続年数が10年以上となるスタッフに話を伺い、働き続けて感じている想いやその理由について紐解きます。
今回お話を伺ったのは、ロジス東京校トレーナー高橋将士(たかはし まさひと)さん。入社して11年目、トレーナーとしては3年のキャリアを積んでいます。入社したのは、「資格を持っていたから」というシンプルな理由。当時は、長く続けることは考えていなかったそう。高橋さんはどのようなきっかけで考えが変化し、今日までQBHOUSEで働き続けているのでしょうか。
「トレーナーとなり、この人たちと一緒に働きたい」
ロジス東京校トレーナー・高橋将士さん
QBHOUSE入社前は、フリーランスとして撮影に関する仕事に就いていた高橋さん。しかし、当時のパートナーに「会社員として働いて欲しい」と言われ、仕事を探していました。美容師の資格は持っていたものの、美容室で働いた経験はたった数ヶ月。美容師の給与や働く環境面に納得できず、自分には合わないと思っていたそう。
「だからQBHOUSEに応募したのも、資格もあるし、とりあえずって感じだったんです。入社してすぐに技術チェックがあったんですけど、どこから切っていいかわかんないレベル。そのときすでに『やっぱ、辞めるかな』って気持ちで(笑)」
しかし、技術研修が始まると、高橋さんの気持ちは徐々に変化していきます。
「練習して経験を積み上げていくことをロジスで初めて経験したんです。自分にできることが増えていくのが、気持ち良くなってきて。しかも、自分のことを真剣に見てくれているトレーナーがいて。仕事ってこんなに楽しかったかなと思いました」
充実した時間を過ごすうちに、気づけば、初めてお客様にカットをする日を迎えていました。
「自分では大失敗だったんです。お客さんもちょっと怒っていて。でもその時サポートしてくれたトレーナーが『ハサミの開閉もできなかった高橋さんが、お客さんをカットできたんだよ!』とすごく喜んでくれたんです。その言葉を聞いて、こんなに喜んでくれるのかという嬉しさと、僕自身の成長、達成感を感じられました。そこから、僕の中では『仕事=お金を稼ぐ』という考えが消えたんです」
カットができる達成感、身近な人が喜んでくれることがお金以上の価値があると感じた高橋さん。研修が終了する前には、「指導してくれたトレーナーと同じ場所で働きたい」という目標を持つようになっていたそう。
「そのためには、技術力もあげなきゃ、店長も経験しなきゃって理由付けができていたんです。配属されてから大変なことも多かったですが、『トレーナーとしてこの人たちと一緒に働くんだ』という想いがあったからこそ、乗り越えてこれたと思います」
しかし配属初日、事情があり無断欠勤をしてしまいます。その際もお世話になったトレーナーに助けられたと言います。
「ロジスを卒業して明日から頑張るって誓ったのに、無断欠勤してしまったんです。僕はクビを覚悟していたんですけど、『これからは頑張るんだよね』と言ってくれて、一緒に会社に頭を下げてくれた。そこまでしてくれる人の恩に報いたい、僕はこの人の下でやるんだって決意しました。その気持ちは今でも変わっていません」
尊敬するトレーナーとの出会いが高橋さんを変え、こうして今、目標としていた恩師と肩を並べてトレーナーとしての道を歩んでいます。そんな高橋さんの今後の目標とは。
「僕に技術を教えてくれたトレーナーのように、一人ひとりに寄り添う人でありたい。そのためにも技術を伝えていく精度を上げていきたいですね。もう一つの自分の中で想い描いているのは、日本だけじゃなくて今後は海外でもチャレンジしてみたいということです」
海外に興味をもったきっかけは、1ヶ月ほど台湾の店舗に勤務したことです。
「台湾では、まだまだQBHOUSEが浸透していなくて、集客が大変でした。でもそんなアウェイな環境でチャレンジすることが楽しかったんです。機会があれば、今度はニューヨークでも勤務したいですね。いろんな国籍の方がいて、主張が強い人も多いニューヨークで通用するなら、人として、スタイリストとしての幅が広がるんじゃないかと考え、渡米のチャンスを狙っています!」
尊敬するトレーナーに出会い、人生観が大きく変わったという高橋さん。次の夢である海外への挑戦が、また高橋さんを大きく進化させるに違いありません。