働き方

休日・給与の少なさなどの福利厚生面、手荒れや体調不良など健康上の理由などにより、離職率の高い美容業界。しかし、QBHOUSEでは「社員を幸せにできなければ会社の存在意義はない」という社長の想いから10年前に働き方改革をスタート。2021年度は離職率6%、勤続表彰者の累計人数が750名という成果が得られました。前回に引き続き、勤続年数が10年以上となるスタッフに話を伺い、働き続けて感じている想いやその理由について紐解きます。

今回は勤続年数が10年以上となる、ロジス東京校トレーナー候補・播田実香澄(はたみ かすみ)さんにお話を伺い、10年以上働く中で感じている想いやその理由をお聞きしました。

「トレーナーとして人の育成に携わり、自らも成長したい」
 ロジス東京校 アシスタントトレーナー・播田実 香澄

現在はアシスタントトレーナーとして、ロジスカットスクール(以下、ロジス)を卒業し、お客様のカットに入る研修生のサポートを行っている播田実さん。自身も異業種から転職を経験しているため、研修生の悩みや緊張感がよく理解できると言います。

 

「入社する前の仕事は、病院の受付業務でした。元々美容師免許は持っていたんですけど、美容師としての経験はほとんどなくて。子どもが大きくなってきたタイミングで、手に職をつけて働ける仕事をしたいと探していたところ、QBHOUSEに出会いました。当時20代後半で、アシスタントから始めるのは厳しいと思っていたので、未経験からカットができる研修制度があることが、とてもありがたかったですね」

入社当時は、ロジスが立ち上がったばかり。播田実さんは二期生として、研修をスタートさせます。「今みたいに研修のカリキュラムはまだしっかりと定まってはいなかったんです。でも、トレーナーがわからないことがあればその都度しっかり教えてくれて。技術だけでなくプライベートなことまで、本当に親身になって相談にのってくれました。一人ひとりに寄り添ってくれるトレーナーがいたからこそ、続けられたんだと思います」

ロジス終了後は、晴れてスタイリストとしてデビュー。しかし、10年働き続ける中で、辞めたいと思うことは何度もあったそうです。「辞めたいって思った瞬間は、両手では足りないぐらいあります(笑)。特に3年目の繁忙期は、自分の技術力も足りていないのに、1日に何人も何人も切らなきゃいけなくて…。自分の限界を感じて、辞めたいと上司に言いました。ただ、辞めたいと言う都度、『だったらこうやってみないか、こうやって考えてみないか』と私の気持ちに寄り添って話を聞いてくれる人がたくさんいたんです」

いつも側には、困ったときに声をかけてくれる上司や、励ましてくれる同期がいました。「一緒にやってきた仲間の顔が思い浮かぶから、辞めることを踏み止まれた」と播田実さんは言います。「思い起こせば、技術不足でお客様に叱られたり、後輩にうまく伝えられないなど、自分の力不足に嫌気がさして辞めたいと思ったことばかりなんです。その度に周りの人に救われている。ここまでやってこれたのはみんなのおかげなので、恩返ししたいという想いが強いですね」

 現在はアシスタントトレーナーとして、研修生を助ける立場になった播田実さん。お子さんも2人おり、家庭と仕事の両立で忙しく過ごす中、なぜトレーナーの道を選んだのでしょうか。

「実は子どもが小学校に上がるタイミングで、子どもと過ごす時間を増やしたいと思い、パートに切り替えたいとマネージャーに相談したんです。そこでマネージャーから、日曜日が休みの店舗に異動し、研修生のカットを見るトレーナー職につかないかと提案していただきました。子育てをしながら働くのはすごく大変ですけど、人の育成に携わることで自分が成長できるかもしれない。自分がこれまでお世話になったトレーナーの後ろ姿を見てきて、やりがいがある仕事だと確信していました。

また、播田実さんは「QBHOUSEに女性の管理職を増やしたい」という想いも強く持っていました。「トレーナーになる前は、店長を目指していたんです。一般サロンより働きやすい環境とはいえ、QBHOUSEには女性の管理者が少ない。キャリアアップしたい女性たちが頑張れる会社にしたいという思いがあったんです。私がこれまでいろんな人に助けてもらった分、他の方にも多様な選択肢を選べる環境にしたいですね」

現状では日曜定休日の店舗が少なく、播田実さんと同じような環境下におかれても全員が同じキャリアを歩めるわけではありません。だからこそ、「1人でも多くの人が諦めないで働ける環境づくり」に取り組みたいと播田実さんは考えています。

最後に、ここまで10年続けてこられたのは、なぜなのか。その理由を教えていただきました。

「基本的には、仕事を楽しくやること。お客様にカットする際も研修生のサポートでも関係なく、自分が楽しく仕事をすれば楽しい空気になる。1日1個でも楽しいと思える出来事があるように、周りの人にもそう思ってもらえるように心がけてやっています」

そして、やはり仲間の支え、家族の支えがあったからこそ。

「長女が卒園式の時に『ママはみんなの髪の毛を切る仕事をしていて、とてもかっこいい!』って言ってくれたんです。正社員で働いてるので、一緒にいる時間はすごく限られていて。でも、あぁ、背中を見てくれて育ってくれてたんだって思えて、本当に嬉しくて。子どもたちに胸を張れる仕事をこれからもしていきたいですね」

周囲の人の支えを原動力に、活躍し続けている播田実さん。信念を持って進むその姿はきっと「私も頑張りたい!」と同じようにキャリアアップを目指す女性たちの目標となり、新たな道を切り開く存在になっていくのでしょう。

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