キャリア

カット専門店として、20年以上の実績を持つQBHOUSE。「早く、キレイで丁寧に」。その技術は、QBHOUSEの訪問理美容サービスでも、活かされています。

介護知識・技術研修を受けた訪問理美容専門のスタッフが、病院や介護施設へ訪問。カットはもちろんのこと、ご希望に沿ってシャンプー・顔剃り・カラー・パーマなどを行います。店舗へ足を運ぶことが難しい方にも、すっきりとした清潔感やおしゃれを楽しみ、生きる喜びにもつなげてほしいという想いを持って施術にあたっています。

今回お話を伺ったのは、訪問美容師の石井恵理さん。テレビで見たドキュメンタリーで、訪問美容師の存在を知り、その道を目指します。3年目の今、訪問美容師の仕事や、やりがいについてお聞きしました。

 

出産を経て、人のために技術を役立てたいと考えるように。

訪問美容師 ・石井恵理さん

 

美容専門学校を卒業してから、地元広島や東京の総合サロンで10年ほど働いていたという石井さん。結婚、出産と新たなライフステージを迎え、6年ほど美容師を休業。そんな時に目にしたのが、訪問美容師を取りあげたテレビのドキュメンタリーでした。
「その番組を見て、初めて訪問美容の存在を知ったんです。そのときに、自分の技術を、美容室に行きたくても行けない人のために役立てることができるんだって気づいて。きっと、出産・子育てを経たことで、人の役に立てるような仕事をしたいっていう想いが強くなっていたんだと思います」
そこから、訪問美容の仕事を探し始めた石井さん。「訪問美容」「子育てと両立ができる時間内」という条件を唯一満たしていたのが、QBHOUSEでした。

就職が決まってから、まずは本社で研修を受講。病院や老人ホームなどに訪問するため、基礎的な介護知識、モデルを使って車椅子の動作確認など、訪問美容に関する基礎的な知識を身につけました。石井さんは子どもがまだ小さかったため、週2回ほどのペースで研修を受け、2ヶ月目から現場でのカットをスタートしました。
「事前の研修や現場でのサポートが手厚かったので不安に感じることはなかったんですが、お客様の体勢に合わせて切ることが難しかったですね。拘縮といって身体が固まって動けない方の場合、お客様自身が体勢を変えることができないので、もう一人のスタッフや介護士さんにサポートしていただきながら切ることもあります。とにかくお客様の身体に負担なく、怪我することがないように。慎重に、かつ素早くカットを進めるようにしています」

現場責任者は介護職員初任者資格を取得しています

 

短時間でキレイにカットを行う技術は、QBHOUSEの得意分野。そのテクニックは、訪問美容でも活かされています。
「拘縮などでまっすぐ座れない方、急に動いたりする方もいらっしゃいますので、小型の特殊なバリカンを使用してカットします。とくに寝たきりの方の襟足部分はハサミを使用することはできないので、こうしたQBHOUSE独自のバリカンテクニックなどを取り入れることで、より安全に早くカットができていると思います」
現場では、拘縮で身体が動かせず寝たきりの方や、認知症で意思の疎通が取りづらい方など、さまざまなお客様が見えます。そのため、お会いした時から同じ目線で挨拶をするよう意識しているそうです。

「初めて会った人にいきなり髪を切られるのは、どんな方でも緊張しますよね。ですから、少しでも緊張がほぐれるように、まず同じ目線に合わせてご挨拶します。何気ない天気のお話をしたり、ご家族や介護士さんも一緒になって会話に参加していただいて、お客様の緊張が解れるような場を 作れるように心掛けています」

訪問美容では施述条件をクリアした方は、カラーやパーマなどの施術を受けることができる

 

時には筆談やジェスチャーを用いてお客様の意思を汲み取り、カウンセリング。「キレイになって、少しでも気持ちが楽になるような時間を過ごしてほしい」。日々、そんな想いを持ちながら石井さんはお客様に向きあっています。

「言葉を発するのが難しい方が、声にならない声で一生懸命『ありがとう』と言ってくれる。寝たきりの状態の方が、喋れない代わりに涙を流される。そんな瞬間に立ち会うと、あぁ、やってて良かったなという気持ちがこみ上げてきます」
今後は、病院や介護施設だけでなく、美容室に行きたいけど行けないという状況下にある方に向けて、施術をしたいという目標を持っている石井さん。
「ご年配の方だけでなく、精神的な疾患をお持ちの方や、小さい子どもがいて外出が難しい方などにも施術する機会を設けることができたらいいなと思っています。キレイになって気分が上がるのは小さな変化かもしれないけれど、美容の技術で楽しみを増やすお手伝いをしたいです」
今後は、介護に必要な免許を取得する予定だという石井さん。美容の技術を活かして人の役に立ちたいという想いを胸に、今日も石井さんは現場へ向かいます。

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