「QBハウスで働く全スタイリスト約3000名の頂点を決める「QB GRAND PRIX 2022」。コロナ禍で2年間の中止を余儀なくされていましたが、ようやく今年の開催が決まりました。
競技は3部門あり、その場で発表されるモデルウィッグを確認し再現力を競う『メンズ規定スタイル部門』。10分という時間の中でミリ単位での調整力を競う『スポーツ刈り部門』。カットのみという制限の中で自身の表現力を競う『レディースフリースタイル部門』。各部門で獲得した順位に基づくポイントの総合得点でチャンピオンが決まりますので、スタイリストとして幅を問われる大会になっています。
これまでは各エリアで予選会を開催し本戦を行う形式でしたが、今回はコロナ感染を考慮し、出場者の人選はマネージャーに委ねられ各エリアから精鋭39名が出場となりました。
そんな出場者の中で、入社3年目でエリア代表に大抜擢さ喜びとプレッシャーを感じながら当日を迎えた相野谷さんに出場までの経緯と思いを聞いてみました。
「短時間で魅力的なスタイルを切る技術は、QBハウスの武器でもある」
イトーヨーカドー横浜別所店 店長 相野谷 典之さん
ある日、相野谷さんにかかってきた一本の電話。担当のエリアマネージャーからでした。
「『コンテストに出てみないか』と電話をいただきました。出たい気持ちもあったんですが、それよりも『僕より出るべきスタッフがいるんじゃないか』『エリアを代表して出るなんて』と戸惑い、一度は断ってしまったんです(笑)」
プレッシャーを感じて参加をためらう相野谷さんの背中を押したのは、一緒に働くスタッフたちでした。「相野谷さんを応援したいから出てほしい」「結果がどうであれいい経験になると思うよ」と励ましの言葉を多くかけられ、コンテストに出る決心を固めます。
そこからは、徹底的に練習に取り組む日々。準備に時間をかけたのが、レディーススタイルの表現力を競う「フリースタイル」部門。
「重視したのは、他の作品と比較したときにどうインパクトを残せるのか。髪の毛を大きく見せる方法もあれば、あえてアシンメトリー(左右非対称)にしてすごく短い部分をつくるなど、いろんな人の目にとまるにはどうすればいいかを考えて、カットのアイデアを組み立てました」
こうした創意工夫の甲斐あってトップ10に入賞。総合得点の中で特に高評価だったのは「メンズ規定スタイル」部門。競技開始直前に公開されるモデルウィッグを忠実に再現する競技で、スタイルの確認はたった1分間で目視したスタイルを覚えて再現するという高度な競技に驚きましたが、
「日ごろお客様をカットする時と同じことなんですよね」
と相野谷さんは言います。
「お客様から要望を聞いて、その場で判断して、規定の時間内にカットを仕上げる。僕たちがいつも行っていることなので、特に難しいことではないんです。中でも短時間でカットするためにバリカンを使うことが多く、QBハウスのスタイリストはみんな高い技術を持っていると思います。短時間でよりかっこよく、かわいく見せることができるのは、QBハウスの特徴でもあるし、武器でもあります」
QBハウスのコンテストに出場してみて、自社の技術力を振り返るきっかけになったそう。総合サロンに勤めている時に参加していたコンテストとはまた違った面白さがあると言います。
「業界で行われる多くのカットコンテストでは、ウィッグにヘアカラーやメイクを施して世界観を表現できますが、QBハウスは、黒髪のウィッグにカットするだけで表現力を競います。黒髪の可能性を追求して、どのようにイメージを広げていけるかが腕の見せ所でした」
最初は戸惑ったものの、コンテストへの参加を通して多くの気づきや学びを得た相野谷さん。
「自分の成長を肌で感じられる環境だと改めて感じました。アドバイスをくれる方がいたり、サポートしてくれる方がいたり、支え合う存在が近くにいる会社だなって。だから僕もスタッフがコンテストに出るときは、自分の得たものを伝えて全力でサポートしたいです。QBハウスのコンテストは自分の力を測るだけじゃなく、周囲の大切さを感じる機会、そして更なる成長の機会なのだと感じています。」
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