理・美容師の仕事はただ髪を切り整える事ではありません。ヘアスタイルを通じてお客様に喜びを与え自信を引き出します。時には「人生が変わった」という大きな感動を提供する場合もあります。また「ありがとう」という感謝の言葉をダイレクトに受け取るため、理・美容師自身の心も満たされます。今回は理・美容師の仕事で何を得られるのか、仕事のメリットについて解説したいと思います。

理・美容師のメリット

１．創造性を発揮できる

理・美容師は創造性に富んだ仕事です。特に美容師は「アーティスト」と表現する事もあり、髪を自由自在に操って仕上げるヘアスタイルはまさに芸術作品ともいえるでしょう。創造性は様々な場面で発揮され、日頃のお客様に対する髪型やヘアカラーの提案などもその一例です。またお客様とのコミュニケーションを通じて理想のスタイルを見つけるプロセスも創造性を発揮する場面です。理・美容師はお客様のニーズを理解し、それを自分のアイデアや技術で形にしていくことで、独自のアート（世界観）を作り出すことができます。

２．人々に自信を与え、時には人生を変える

理・美容師は技術でお客様の外見を変える事が出来ます。ヘアスタイルやメイクにより外見が変わった事でお客様は新しい自分の魅力に気がつき自信を高めます。また理・美容師はお客様との信頼関係を築き心を支える存在にもなれます。理・美容室はお客様がリラックスして滞在する場所です。お客様のお話を聞き、時には励ましアドバイスもします。このようなサポートはお客様が不安を解消し前向きな気持ちで日々を過ごす手助けになります。理・美容師の技術やアドバイスで「不登校から学校へ行けるようになった」「仕事のストレスが解消された」「前向きになり人生が変わった」などというエピソードは枚挙にいとまがありません。そしてそれらは理・美容師の仕事のやりがいになっています。

３．人工知能社会に強い

近年、人工知能（AI）の技術が進化する中で、一部の職種が置き換えられる可能性が議論されています。しかし、創造性や感性、人間関係や共感性（思いやり）、クリエイティブな解決方法が必要な仕事は代替えが難しいと言われています。１、２でもお話ししたように、まさに理・美容師の仕事は代替えがきかない仕事といえるでしょう。そのため理・美容師は将来なくならない仕事として注目されています。

４．自己有用感が得られ、貢献意欲が高まる

また、理・美容師は自己有用感が得られる代表的な職業です。「自分の存在が周りの人に役立っている」「貢献している」、また「成長している」と認識できている時にこの感覚を覚えます。お客様が新しいヘアスタイルで笑顔で帰っていく時、施術に満足し「ありがとう」という感謝の言葉をダイレクトに受け取った時、さらに自分の技術が同僚や業界関係者から評価を受けた時など、自己有用感を感じる瞬間は多岐に渡ります。自己有用感が高ければ、周囲への貢献意欲も高まるといわれています。災害時の被災地や老人ホームなどにおいてボランティアカットに出向く理・美容師が多い事はそのあらわれではないかと思います。

５．手に職で不景気に強い

理・美容師は技術を身につけることで「手に職」を持ち、不景気に強いとされる職業の一つです。理美容サービスは消費者の必需品ではないものの、外見のケアや気分のリフレッシュとして重要視されるため、需要が比較的安定しています。また、リピート率が高く、お客様が定期的に利用する傾向があるため、不景気の影響を比較的受けにくいと言われています。

以上、代表的な５つのメリットについて解説しました。これらの要素を考慮すると、理・美容師の仕事はやりがいを感じ、将来にわたって安定した人生設計を築ける可能性があります。しかし、同時にいくつかの大変な側面も存在します。

理・美容師のデメリット

理・美容師の仕事のデメリットは、長時間の立ち仕事による足や腰の負担や手荒れ、忙しい時期には休憩が取りにくいこと、時には不満客や難しい要望に対応しなければならないこと、また、理美容業界の競争が激しく、新しいトレンドや技術を追い続ける必要があることなどが挙げられます。これらは理・美容師の仕事が持つ大変な側面の一部です。しかし、従業員の働きやすさの見地よりこれらの課題解決に取り組む理美容室は多く存在し、対処する方法を学ぶ事により理・美容師としてのキャリアを十分に楽しむことができます。

理・美容師の将来性

理・美容業界は、今後も一定の需要が見込まれる産業です。美容への関心の高まりや高齢化社会の進行により、美容サービスへの需要は増加すると予測されます。さらに、健康と美容の関連性についての理解が深まることで、健康に関連した美容アプローチが注目されています。理・美容師にとっては様々なチャンスや可能性、そしてメリットが広がっていくといえるでしょう。