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美容師の職業病の1つともいわれている「手荒れ」。 この手荒れに悩んでいる人は少なくありません。 美容師が手荒れを発症するタイミングは美容室に入社後1年未満、なかでも3か月未満での発症が最多です。 これはアシスタント期間が最もシャンプーの施術が多いからだと考えられます。また寒冷な気温と低湿度の環境が皮膚の乾燥を引き起こす冬は一年中で一番手荒れが起きやすい季節です。今回は手荒れに悩む美容師さんを対象に解決策を考えてみたいと思います。

手荒れの原因

まず、美容師の手荒れの原因について簡単に説明します。美容師の手荒れは、化学薬品との接触が主な原因の一つです。ヘアカラーやパーマ剤などの化学薬品は皮膚に刺激を与え、乾燥や湿疹を引き起こします。頻繁な接触は皮膚のバリア機能を損ない、手荒れや炎症を促進します。また、水(湯)に多く触れる事も原因とされています。中でも素手でシャンプーをすると手の油分が奪われてしまい、さらにそれをドライヤーで乾かすことによって手が乾燥し、手荒れの原因となります。

美容師向けの手荒れ予防法

手荒れの対策や改善方法を書き出してみましょう。

  1. 保湿ケア・・高保湿なハンドクリームなどをこまめに塗り直す
  2. 手袋・グローブを着用・・薬剤などのアレルギー物質に触れない
  3. 薬剤や道具を変更・・アレルギー物質のある薬剤などを利用しない
  4. 市販薬・漢方・・かゆみ止めやステロイドなどを使用
  5. 皮膚科を受信・・病院で治療・薬の処方を受ける
  6. 保護・・痛いあかぎれにはキズパワーパッドなどで処置
  7. 生活習慣・・食生活、睡眠などの習慣、サプリメント摂取

以上の中でいくつ実施できているでしょうか?

最近では体の外側からのケアだけでなく内側からの改善が着目されています。そこで⑦についてもう少し詳しく説明します。

生活習慣の改善

手荒れ対策は肌の細胞の正常な新陳代謝や真皮を保つような栄養補給によって内側からケアすることも大切です。お勧めの栄養素は以下の通りで、これらの栄養素を意識してバランスの良い食生活を心がけましょう。不足している栄養素はサプリで補うのも良いです。

栄養素 役割
タンパク質(魚介類・肉類) 皮膚の材料となる栄養素
ビタミン類(緑黄色野菜) 肌荒れに良いとされている
亜鉛(魚介類・肉類) 新陳代謝に必要
α₋リノレン酸(エゴマ・アマニ油) バリア機能の維持に役立つ

※参考https://www.healthy-pass.co.jp/blog/20220216/

また水分(常温がベスト)をしっかり取り、睡眠時間を確保し規則正しい生活を送ることも大切です。

手荒れ対策(美容室での事例)

手荒れがきっかけで美容師を辞めてしまうケースも少なくありません。そのため近年は手荒れ対策に積極的に取り組む美容室も増えています。下記に3つの例を紹介しましょう。

A美容室)シャンプー、カラー、パーマの施術においてアシスタント全員に手袋着用を義務付け、保湿ケアとの併用を推奨。また生活習慣の改善について社員教育を実施。シャンプー剤も肌に優しい素材の製品に変更。

B美容室)シャンプー時の手袋着用を義務付け、水道水ではなく薬剤に頼らない洗浄力を備え肌にも好影響のある特殊な水をシャンプーに使用、栄養補給のためビタミンなどのサプリメントを会社で支給。

C美容室)手袋着用に加えて常にスキンケアができるよう仕事中もスキンケア製品を各自で携帯(予防も兼ねる)。動画で生活習慣の重要性を教育。

いずれの美容室も手荒れ対策に取り組む事により、手荒れで悩むスタッフが激減し、それを理由に離職する事もなくなったそうです。

カット専門店で働くという選択肢

手荒れで悩んだ結果、手荒れをしない美容系の仕事、例えばアイデザイナーなどに転向する人も少なくありません。また私たちQBハウスではカット専門店のため、手荒れの原因となる業務は一切ありません。そのため手荒れが原因でQBハウスに転職してくる人も多いです。手荒れに悩む美容師の方は私たちのようなカット専門店に就職するという選択肢もあるでしょう。

以上、色々な解決策を紹介してきました。手荒れで悩む美容師の皆さんも複数の解決策を組み合わせて自分に一番合った方法を見つけてください。また精神的ストレスも手荒れに悪影響を及ぼします。職場の皆さんと手荒れについての悩みを共有し、皆で手荒れを解決していけると良いですね。

手荒れに悩む美容師が一人でも少なくなること願います。

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